庭野仁司の近頃の悩み

庭野仁司は、30歳になるフリーターの男性です。出身は札幌市で、地元の私立高校を卒業したのちに上京しました。現在は派遣社員と居酒屋のアルバイトを掛け持ちして生計を立てています。職場はどちらも都内にありますが、自宅は埼玉です。通勤には少し時間がかかってしまいますが、最寄り駅から職場までは電車の本数が多いので、特に不便は感じていません。

なにより、都内で部屋を借りるよりも家賃が安いので、貯金が趣味の庭野仁司としては、非常に満足しています。埼玉県の家賃は、単身者向けの物件なら人気の駅でも手頃な金額ですので、通勤費用を考えても都内で物件を探すより埼玉に暮らしたほうがずっとお得なのです。

昼間は派遣社員、それが終わったら夜に居酒屋のアルバイトというハードなスケジュールですが、庭野仁司はフリーターながら年収400万円を稼ぎ出しています。30歳の年収の中央値が330万円前後であることを考えると、かなり仕事に力を入れているといえるでしょう。節約のために、お昼ごはんはもっぱら居酒屋のあまった総菜を詰めた手作りのお弁当です。忙しい毎日ですが自炊はよくしていて、これまでのバイト経験を活かして、休みの日は少し凝った料理をつくることもあります。さらに、週末には、固定のアルバイトに加えて単発のアルバイトを入れることもあります。使う暇もないほど仕事をしているため、貯金は確実に貯まってきました。

そんな庭野仁司の悩みは、地元に残してきた家族のことです。札幌の実家には、母と祖父、祖母が3人で暮らしています。自分も30歳を迎え、母も高齢になりつつあります。もともと庭野仁司が札幌から上京してきたのは、やりたいことを見つけるためでした。とにかくいろいろな経験をしてみようと、東京でさまざまな仕事に挑戦したのが始まりです。幅広いスキルを身につけることはできたものの、結局何が自分のしたかったことなのかわからないまま時間が経ってしまったため将来に不安を感じてもいるのです。

もし母が体調を崩すことがあれば、本人の世話はもちろん、祖父母の面倒を見る人もいなくなってしまいます。庭野仁司には兄弟がいないため、自分が一人で面倒を見なければなりません。上京してから10年以上になりますが、30歳を機に札幌へ帰ってきちんと正社員として働いたほうが親孝行といえるのではないかと考え始めました。ここ数年は実家にもできるだけ帰るように心がけているようです。