庭野仁司のこれまでとこれから

庭野仁司の仕事は、派遣社員とアルバイトを掛け持ちしているものです。定職というものにはついていませんが、これには理由があります。それは、やりたいことが見つかるまでは就職しないと若いころに決めていたからなのです。庭野仁司は、もともと北海道で生まれ、現在は関東に上京してきています。高校を卒業して、地元ではなく東京に出ていくことを決心しました。東京は、北海道よりもいろいろな選択肢があると庭野仁司は考えていました。だから、東京に行ってあらゆるものに触れているうちに、自分が目指すものはこういうものだと決まるのではないかと思っていたのです。

その頃は、リーマンショックよりも以前のことで、景気としては悪くなかったといわれています。そのため、フリーターをやりながら、自分のしたいことを見つけることも一つの選択肢としてあったのだと思われます。派遣の仕事を定期的に変えてみて、その仕事ごとで交友関係を広げてきました。また、その仕事ごとに必要なスキルも付けることができたため、こういった経験は、今の仕事にも活かされています。実際、派遣の契約期間が満了したのちも、庭野仁司は仕事を途絶えることなく紹介されています。企業としても非常に重宝できる存在だと評価しているようです。

ただし、30歳を過ぎた現在でも庭野仁司がやりたいと思っていることは、見つかっていないそうです。仕事が嫌いなわけでもないし、むしろ向上心はあるタイプの人間だと考えている庭野仁司ですが、派遣の仕事を多くやっていた結果、逆に一つの仕事に長い年月をかけるという自分の姿が想像できないようなのです。しかし、そんなときによぎってくるのは、地元に残っている家族のことです。

庭野仁司の家族構成は、母と祖父母です。祖父母はもう高齢ですし、母についても、決して若いとは言い切れません。もう何年もしないうちに老後を迎えている年齢です。最近、実家と電話をしても、体の不調のことや、息子のいないさみしさを話されています。それについても彼の心は揺れています。このまま、関東に残るべきなのか、それとも地元に戻って、母の老後の世話をしたほうが良いのか決められないようです。確かに、彼のスキルであれば、北海道であっても、仕事を見つけることはできるでしょう。しかし、それではこれまで10年以上東京で費やしてきた人生を否定してしまうような気になってしまうのが心残りなようです。人生を大きく左右するため、なかなか結論を出すことが難しい問題ではありますが、適切な決断をしてもらいたいものです。